鍛造ジュエリー

ハンドメイドジュエリーの中でも、「鍛造」を名乗っているものがあります。

字のごとく「叩いて作る」わけですが、まず普通のハンドメイドジュエリーとの違いを。

一般のハンドメイドジュエリー(アクセサリー)は

・市販の一枚の金属板から糸鋸などで切り出した金属を丸めて溶接(リングの場合)。

ちなみにその金属板(市販品)は、鋳造品を材料屋さんの工場で圧延したもの。

それに対してハンドメイド「鍛造」ジュエリーは

1、溶解させた金属を、金槌で叩くことにより金属の分子どうしを密着させる。

2、その金属塊を鍛造していく過程で求める形に整形する(鍛金)

(1)がわかりにくいのですが、鋳造品の断面は凍らせた豆腐のようにスカスカ。

鍛造したものは金属同士の隙間がなく、ピカっと光が反射するイメージです。

この違いが強度の違いになるのです。

純銀を例として出していますが、私は銀製品を作るときは基本的にシルバー950(95%銀)やスターリングシルバー925(92.5%銀)ではなく、純銀を使っています。

基本的に、純銀は柔らかすぎてジュエリーには向かないと思われがちですが鍛造の工程を経た純銀は、鋳造のものより強度が大幅に上がっています。

純銀特有の粘り気があり、かつ強度もある銀になるので、銀製品でも細かい細工が可能になるのです。

これはほかの金属、プラチナや金などにも言えることで、強度が上がるとおのずと品質も向上します。

銀のお話のついでに、シルバー950・925、18金やそのほかの合金に入っている金属についてですが、

次回はその合金が及ぼす影響について。

次回・・・・・「アレルギー」

量産ジュエリーとハンドメイドの違い

ハンドメイドのジュエリーに対して、量産のジュエリーがあります。

量産のジュエリーとは、ブランド品やデパートで売っている物ほぼ全てと考えていいと思います。

機械で作っている量産ジュエリーの良い点として、

1、大量に迅速に生産できる

2、1により価格メリットが生まれ、安価に生産できる

があります。

中国や韓国に発注すればもっと安くなるので、おのずとメイドインチャイナが出てきます。

次にハンドメイドジュエリーの良い点として

1、特注品を迅速に生産できる

2、鍛造品なので、強度があり緻密なデザインが可能である

があります。

こだわりのリフォームをご要望のお客様がいらっしゃるので、そういうことができるののが

ハンドメイドの有利なところかな、と思っています。

当然私が作っているので、安心の国内生産!しかもメイドインKYOTO。

で、なぜハンドメイドの中でも「鍛造」なのか?というところは次回へ。

鋲(びょう)製作 その2

前回「そ20130117-%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bcの1」からの続き。

まず、「打ち出したがね」を作ります。

手のひらくらいの鉄材を、写真左のようにヤスリで形作ります。

それを焼入れして硬度を出します。

次に、0.5mm厚、5センチ四方の銅板を用意して焼きなましをします。

金属は、ほんのり赤くなるまで熱を加えると加工のしやすいあたりまで柔らかくなります。

これを「焼きなまし」といいます。

短縮して「なます」という方が多いですね。

20130117-2-%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bcの板を大きな鉛の上に置いて、上からたがねで打ち付けると鉛が凹んで

右のように形ができるのですが、これを必要な数(32個!)つくるとなるとかなりきつい。

最後に酸洗をして余分な部分を切り取った後、真鍮釘をろう付して完成です。

それにしてもきつい。。

アレルギー

前回、銀製品のことを書きました。その続きです。

ここ10年ちょっと前からはやってきた、シルバーアクセサリー。

だいたい世の中に出回っているものは、シルバー925と呼ばれる銀の合金です。

この、銀が92.5%含まれている合金がアレルギーの原因になっています。

そもそも銀はアレルギーを起こしにくい物質なのですが、その他に含まれている7.5%のなかにアレルギー物質があることが疑われます。

具体的には、ニッケル・銅・鉄・亜鉛などなど。

驚いたことに、外国製では92.5%も銀が入っていない商品もあるようです。

海外の安い銀のお土産物など要注意ではないでしょうか。

金製品でも同様で、なんと磁石にくっつく18Kと刻印されている指輪もあります。

そんなことで、私は銀製品を作るときは純銀か純銀の純銅割(SV950)で製作しています。

アレルギーは一度発症するとなかなか治らないものなので、どうぞお気をつけください。